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【暁のヨナ】ユホン・イル兄弟とキョウガ・テジュン兄弟を比較してみた

どうも~、いもこです。
いや~今日も暁のヨナビビるくらい面白いですね!!

 


以下、ネタバレ含みます。
ヨンヒの手記編(34巻)まで読んだ方のみお進みください(^^)d

 

 

 

 

 

 

 

 


最新刊のひとつ前となる34巻にて、物語の核心部分のひとつであり長年の疑問だった「なぜイルは殺されなければならなかったか」「スウォンとヨナが結婚して王になるのではダメだったのか」の真相が明らかになりました。

 


ヨンヒの手記でユホン・イル兄弟の過去を見た私の感想、それは...
キョウガ・テジュン兄弟がなんだかんだやっていけてるのは、テジュンのキャラのお陰だなぁ...と思いました。

 

 


暁のヨナに登場する二組の兄弟。
比べてみると、よく似た点があるなと思います。
(1)優れた兄と残念な弟
(2)大切なものが違う
(3)心底では兄は弟を大事に思っている

 

 


(1)優れた兄と残念な弟


二組の兄弟の共通点のひとつは、優れた兄と残念で臆病な弟(と周りから評価されている)というところです。

 


・ユホン→戦に出れば常勝。厳しく無骨な性格で、民からも部族長らからも次期王にと呼び声高い


・キョウガ→軍の統率力があり、部下からも厳しく冷酷だが次期将軍として十分な資質があると評され、人望は厚い


・イル→即位前から兄と比較されユホンが資質を全て持って産まれてきてしまったとまでの言われよう。
即位後も、他国の圧力に波風立てず屈する軟弱で臆病な王と支持されず、他部族の反発も強くなる。ヨナも城にいた頃から父イルがあまり良く思われていないと感じていた。


・テジュン→残念な男。ヨナを殺したと思ってから覚醒前までは特に腑抜けて笑い者にされています。恥さらし、一族の面汚しとまで兄ちゃんに言われています

 


兄ちゃんsは、厳しく情け容赦ない性格だが、武人として強く、軍や国を率いるリーダーとしても周りから支持されるという存在というところが良く似ているなと思います。
性格はキョウガの方が真面目すぎかなと思いますが。


かたや弟sは、兄と比べられて劣っているとの烙印を押されてきました。

 

 


(2)大切なものが違う


これはイルが栞の中で書いた言葉です。
性格も思想も異なる兄弟。それゆえ守りたい大事なものが違うということも、二組に重なるものを感じました。

 


ユホンは、イルの緋龍王信仰を訳のわからん妄想、国を神なんかに任せられないとけんもほろろでした。


国のトップが宗教に傾倒しすぎると国が傾くという考えはよく理解できますが、ゴビのようなインチキ極悪人ならともかく本物の神官たちを慈悲なく皆殺し、それも愛する妻をもとなれば2人の間の軋轢は修復不可になってしまいましたね。。
憎しみの連鎖、ツラ。。

 

 


一方カン兄弟はユホンらのように決定的な亀裂ができている訳ではないので状況は違いますが、価値観のすれ違いを感じる事はあります。

 


まず先のスジンの反乱の時、
スジンに倣い軍事最優先に政で正しく統治すべきというキョウガと、ヨナの想いを受け継ぎ貧しく飢えや病で苦しむ人々を助けるテジュン。


ここでは、スウォンの命でキョウガは空都にて統治のしかたを学ぶこととなり、2人の新しい力で火の部族を治めてゆくこととなりました。

 


また、千州から火の土地に軍が攻めてきた時には、
スジンの反乱で失った信頼を取り戻すべくスウォンに忠誠を誓うキョウガと、荒廃した火の部族領の復興に尽力し、今も千州の軍から火の部族を救ってくれたヨナを恩人とするテジュンの間には不和が生じます。


こちらは、命の恩人を軽んじるべきではないという母イグニの言葉を受けてキョウガの態度は軟化し、またヨナ本人らとの対話を経て協力関係となったのでした。

 

 


こうやって考えると、テジュンは皆ご存じの通り目に見えてヨナのお陰で正しき道へ更正してきましたが、キョウガもその真面目さからか、色んな経験や色んな人からの言葉により考えを改めたり変わってきているのかもしれませんね。


ユホンは緋龍王に関わるもの絶対皆殺しマンで理解できないものを上から押さえつけて耳を貸さない感じだったので、そこはキョウガは違って良かった。

 

 

 


(3)心底では兄は弟を大事に思っている

 


どれだけ兄弟間ですれ違いがあれど、二組とも、兄ちゃんが弟のことを思い遣っていることが伝わるシーンがあります。

 


イルは昔から、キツい物言いでもユホンは自分のことを気にかけていたと自身も分かっていた。
また、神官弾圧があり大きな溝が生まれた以降でもユホンは、ヨンヒとの結婚を応援してくれたようにイルの結婚時にも力になろうと言っていました。


心苦しい最期となってしまったものの、ユホンとイルの両者は心からお互いを憎みあっていたとは言い難いところがまあ何ともつらいですなぁ~。

 

 


キョウガはというとスジンの反乱の時に、自分は長子としてその責を負うが母と弟テジュンの命はどうか見逃してほしいとスウォンに請う場面があります。


顔を見れば説教ばかりで、テジュン腑抜け期なんて死んだ方がいいとか面倒が及ばぬ山奥で自害せよとか言ってはいたものの、いざとなればテジュンを守るべき大事な家族なんですね。
もしかしたらカン家一族の血筋を残すとか考えていたのかもしれませんが...。


ま、フクチに言わせるとキョウガ様はテジュン様をお叱りになられてる時が一番生き生きしてるらしいですからね!


なんだかんだキョウガにとってはきっと可愛い弟...かもしれない(そうじゃないかもしれない)

 

 

 


以上ここまで、二組の兄弟を比較して似ている点を挙げてきましたが、ココは似てないなぁ違うなぁと思うところもありました。

 


一番違うなと感じるのは、イルとテジュンの性格、特に「兄に物言えるかどうか」です。
読んでて、性格の対比が出ていて面白いな~と思った場面がありました。

 


197話、ヨンヒの手記を読んだイルは、兄ユホンについて栞にこう記しています。
「兄上と話をするのが苦手で体は震え言葉に詰まり本当に言うべき事と違う事を口走ってしまう 思い出して何年も後悔する」

 


一方のテジュンは、154話にて烽火の件でキョウガに責められた時、なんとか誤魔化そうとペラペラ言い逃れしながら
「よせばいいのにどんどん話を盛っていくのが得意な私の口ーーーーーー!」
といっています。

 


これ、すごく面白いとおもいました。
草凪先生が意図して対比したかわかりませんが、ヨンヒの手記を読んだときに、このテジュンのセリフを思い出しまして。


両者とも、兄と言い合う中で、言わなくていいことを思わず言ってしまうというのは同じなのに、言葉に詰まってしまうイルに対し、饒舌になるテジュン笑

 


さらにテジュンでもう一ヶ所印象的だったのは156話、ヨナ達が北戒からの軍との戦いに荷担し、キョウガに存在がバレたところ。


キョウガはテジュンに、ヨナとハクが生きていることを黙っていたのはスウォンに忠誠を示す立場として裏切りだと非難しますが、テジュンは毅然とした態度で、
「誰が何と言おうと たとえ兄上でも ヨナ姫に手出しは許さない」
と言ってのけます。


兄ちゃん厳しいし怖いし、恐らく周りの人間は意見を言うのが憚られるタイプだと思うのですが、臆せず断固として自分の芯を曲げず意見を言えるテジュン。

 


テジュンは、千州との戦ではケイシュクに対してもハクが国の為に血を流して闘っていると訴えたりヨナの為に薬をお願いしたりしてくれましたし、言いにくいことをはっきり言える正直なところはすごい。


テジュンはちょっとアホで調子よくて怖いもの知らずだけど、そんな性格にみんなも読者も救われる...。

 

 


イルはユホンが亡くなってからは、無意識に兄のことを考え、その想像の中では強引な兄に対しても素直に話せる、こんな風に話したかった...とも栞で述べています。

 


イルは、兄と比べられ民に愛されていない自覚もあり、兄に萎縮してしまうし、嫉妬の感情も抑えられず...まあ普通の人間はそりゃそうなる。


イルにテジュンの自己肯定感の高さを分けてあげられたらよかったね...😂😂
そうしたら違う未来があった...かも

 

 


テジュンにキョウガが手を焼いているのも確かだと思いますが、テジュンのそのキャラのお陰でなんだかんが兄弟仲良く(?)やっていけてるし、そこがユホン・イル兄弟との差なのかなぁと思います。

 

 


何にせよカン兄弟はこれからも仲良くやってってほしいですね。
みんなテジュン(とフクチ)大好きだけど、私はキョウガも好きですよ!
イグニ様もね!


またカン家の活躍が見れるのを楽しみにしてます✌️

 


おわり